突然の交通事故でご家族を亡くされた状況では、混乱や悲しみの中に置かれるのは当然のことです。
ですが、葬儀の手配や確認すべきことは待ってくれません。
本記事では、警察対応の流れから、検視・解剖によって葬儀日程が読みにくくなる理由、安置の考え方、必要書類までを順に整理します。
著者

著者|1級葬祭ディレクター
葬儀業界に17年以上携わり、これまで多くのご家族の葬儀相談や施行に関わってきました。
堺市で葬儀を検討されている方に向けて、葬儀の流れや費用の目安、斎場選び、火葬場の利用方法などをわかりやすく発信しています。
ご家族が交通事故の連絡を受けた直後
事故直後は、気持ちの整理がつかないまま警察からの連絡対応や、その後の手配を決めなければならない場面が続きます。混乱するのは当然のことです。
まず自分の気持ちを最優先にしてください。すべてを完璧にこなす必要はありません。必要最低限のことだけ動かすことで、その後の負担は大きく和らぎます。
事故直後にご家族が動かせることは限られています。まず一つだけ決めてください。警察とやり取りする代表者を一人決めることです。担当者名・部署・折り返し先の電話番号をメモするだけで十分です。
検視や解剖があるとき、葬儀日程の考え方
警察の捜査や手続きが必要になる場合、ご遺体の引き渡し日程は警察からの連絡を待つ以外に確認する手段がありません。そのため、葬儀の日程をその時点で確定させることはできません。
ただし、候補日を持っておくことはできます。葬儀社への連絡は早めに始めておき、「引き渡し後すぐに動ける状態」を整えておくことが、結果的に負担を減らします。
「いつ引き渡されるか」が決まるまでの心構え
事件性がないと判断された場合でも、検視には数日を要することが多く、すぐに引き渡されるわけではありません。解剖が必要と判断された場合はさらに日数がかかります。いずれの場合も、警察からの連絡を待つことが前提です。
この間にご家族ができることは、連絡窓口を一本化し、警察・葬儀社からの連絡に備えることです。
| 状況 | 起こりやすいこと | 葬儀側の進め方 |
| 検視のみ | 比較的早めに引き渡し | 安置先を確保し、火葬枠を仮押さえ・相談します |
| 解剖がある | 引き渡しが数日遅れる | 日程を断定せず、複数の候補日で調整します |
| 確認が長引く | 待機や連絡が増える | 窓口役を固定し、情報の整理に努めます |
死亡診断書・死体検案書と、堺市役所での手続き
書類の名前は難しく感じられますが、やることはシンプルです。葬儀社が代行できる手続きが多いため、ご家族が自分で動く場面は限られています。
二つの書類の違い(どちらも医師が作成)
「死亡診断書」は、医師が診療の経過をもとに作成します。病院で治療中に亡くなった場合はこちらが発行されます。
「死体検案書」は、医師が死因を医学的に調べた上で作成します。交通事故など、診療関係のない状態で亡くなった場合はこちらになります。どちらになるかは状況次第で、受け取ってから記載内容(氏名・生年月日など)に誤りがないか確認し、誤りがあればすぐに申し出てください。
ご家族が確認しておくこと
以下の手続きは、多くの場合葬儀社が代行します。
- 死亡届の提出(お亡くなりから7日以内)
- 火葬許可証の取得
- 役所への届出
ご家族が確認しておくのは次の2点です。
- 書類を受け取ったら、葬儀社に渡す前にコピーを取っておく(保険・賠償手続きで後日必要になる場合があります)
- 原本がどこにあるか、誰が持っているかを把握しておく
| 項目 | 内容 | 気持ちが楽になる見方 |
| 死亡届 | 原則7日以内に提出 | 多くは葬儀社が代行します |
| 火葬 | 原則24時間経過後 | 「当日中に火葬」が前提ではありません |
| 交通事故証明書 | 後日取得(交付手数料 1通800円) | 初動ですべて揃えなくても大丈夫です |
警察から返却された衣類や所持品は、洗濯・処分の前に写真を撮って保管しておくことをおすすめします。後日の保険請求や賠償手続きで、事故当時の状態を確認する必要が生じる場合があります。
手続きの多くは後日でも対応できます。今すぐすべてを進めようとしなくて構いません。ご自身の心身への負担を減らすことを、まず優先してください。
交通事故葬儀を進める順序:安置・火葬・斎場
警察からご遺体が戻る見込みが立ったら、葬儀の日程が見えてきます。ただし、その前に決めておくべきことが一つあります。安置先です。
安置先が決まることで、火葬の日時・斎場の手配へと順を追って進められます。葬儀社は安置の手配と同時に火葬場の予約も進められるため、迷っている場合は安置先の相談から始めて問題ありません。
自宅安置と安置施設、それぞれの特徴
自宅安置は、住み慣れた場所で故人様と最後の時間を過ごせます。ご家族にとっても、落ち着いた環境の中で次の準備を整えやすい点があります。ただし、部屋の環境整備や保冷の管理など、ご家族の負担が生じる場合があります。
葬儀社は安置の手配と同時に火葬場の予約も進められるため、迷っている場合は安置先の相談から始めて問題ありません。
安置施設は、保冷設備が整っており面会もしやすい環境です。警察からの引き渡しに時間がかかる場合や、自宅での受け入れが難しい状況では選ばれやすい方法です。
どちらを選ぶ場合も、お身体の状態を保つためにドライアイスなどの処置は必要です。葬儀社には安置先の選択から火葬場の手配まで相談が可能です。
費用の目安と、見積書で確認しておきたいこと
突然の事故という状況の中で、費用のことまで頭を回すのは心身ともに負担がかかります。それでも、交通事故の葬儀は日程が読みにくい分、費用も変動しやすい傾向があります。早めに葬儀社へ確認しておくことで、後から慌てずに済みます。
葬儀費用は、安置日数や参列人数によって変動します。総額だけでなく内訳を葬儀社と一緒に確認することで、後から費用の認識がずれるのを防げます。
| 形式 | 金額の目安 | 増減しやすい理由 |
| 火葬式(火葬のみ) | 18万円〜30万円 | 安置日数と搬送の時間帯(深夜・早朝など)で変わります |
| 一日葬(通夜なし) | 44万円〜80万円 | 式場利用費、お料理、返礼品の数で変わります |
| 家族葬(通夜・告別式) | 55万円〜70万円 | 参列人数と儀式の内容(祭壇など)で変わります |
| 自宅葬(ご自宅で実施) | 25万円〜35万円 | お部屋の条件と準備内容で変わります |
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まずやるべきことを確認する
追加費用が出やすい条件を先に聞く
交通事故の葬儀は日程が確定しづらく、その分費用も見えにくくなります。夜間搬送や安置日数の延長など、状況によって追加費用が発生する可能性があるため、次の2点を見積書の段階で葬儀社に確認しておきましょう。
- 見積書に含まれる項目と別途費用になる項目が、明確に分けて記載されているか
- 安置日数の延長など、追加費用が発生しやすい条件を事前に説明してもらえるか
費用の不安は、「金額の変動する項目」が分かるだけでも不安は軽くなります。
まとめ
本記事では、交通事故後の葬儀について、警察対応の初動・検視や解剖による日程の変動・安置先の選び方・必要書類と費用の確認ポイントを整理しました。
まず決めることは「警察対応の代表者」と「安置先」の2点です。日程は警察からの連絡を待ちながら候補を持っておき、費用は葬儀社と内訳で確認することで、後からの混乱を防げます。
監修者

監修者|
葬儀業界に30年以上携わり、これまで多くの葬儀相談や葬儀の施行に関わってきました。
本コラムでは、堺市で葬儀を検討されている方に向けた記事内容について、葬儀の流れや費用、斎場・火葬場の利用方法、地域ごとの葬儀事情などが、実際の現場に即した正確な内容になっているかを確認・監修しています。